東レは10日、石川工場(石川県能美市)に新設した炭素繊維プリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)の生産設備について、同日より本格稼働を開始すると発表した。設備投資額は約70億円で、年間580万平方mの生産能力を持つ。
同社は新工場で、米国ボーイング社の新型旅客機787の主翼・尾翼・胴体など主要構造体に用いられる「トレカプリプレグ」を生産する。新工場は、日本国内では愛媛工場(愛媛県松前町)に続いて第2、グローバルでは米国工場を含めて第3のプリプレグ生産拠点となり、世界戦略上の重要拠点の一つとなる。
東レは長期経営ビジョンで、「先端材料で世界のトップ企業を目指す」ことを掲げており、炭素繊維複合材料事業を戦略的拡大事業と位置づけている。自動車・航空機の軽量化による環境負荷低減、風力発電などクリーンエネルギー製造に貢献する軽量・高剛性素材として、炭素繊維複合材料トレカの事業拡大を推進する。