英国のUKIPメディア&イベント社は17日、ドイツ・シュツットガルトで開催された「エンジンエキスポ2009」において、「インターナショナルエンジンオブザイヤー2009」を発表した。フォルクスワーゲンの1.4リットル直4「TSI」が、初の栄誉に輝いた。この賞はクルマの心臓部、エンジンに着目して優れたエンジンを選出するもので、今年が11回目。6月17日時点で少なくとも世界1か国以上で販売されている車種のエンジンを対象に、世界32か国65名のジャーナリストが投票を行い、各賞を決定した。インターナショナルエンジンオブザイヤー2009の結果は以下の通り。1. VWの1.4リットル直4ターボ&スーパーチャージャー「TSI」(354点)…ゴルフなど2. BMWの3.0リットル直6ツインターボ(350点)…Z4など3. アウディの2.0リットル直4ターボ「TFSI」(220点)…Q5など4. メルセデスベンツの2.2リットル直4ツインターボディーゼル(203点)…Eクラスなど5. BMWの4.0リットルV8(203点)…M36. メルセデスベンツAMGの6.2リットルV8(114点)…SL63AMGなど7. BMWとPSAの1.6リットル直4ターボ(107点)…MINIクーパーJCWやプジョー308など8. トヨタの1.0リットル直3(74ps)…iQなどベスト8の中で、上位7エンジンがドイツメーカー製。日本でも人気の「フォルクスワーゲン」「BMW」「アウディ」「メルセデスベンツ」の4ブランドで占められている点は注目できる。また、4位のメルセデスベンツはディーゼル。欧州ではディーゼルの販売シェアが高いが、受賞エンジンはパワフル&クリーンな最新ユニットである。BMWの5年連続1位に待ったをかけたのが、フォルクスワーゲンの1.4リットル直4TSI。わずか4ポイント差の接戦を制し、同賞初の栄冠を獲得した。1.4リットルTSIは、スーパーチャージャーとターボという2種類の過給器を回転域によって使い分け、2.4リットルエンジン並みの160 - 170psの最大出力と、24.5kgmの最大トルクを実現。また、1.4リットルの小排気量は、時代のニーズに合ったダウンサイジングユニットであり、欧州複合モード燃費16.13km/リットル、CO2排出量144g/kmという優れた環境性能を発揮する。選考委員のひとり、山口京一氏は「この素晴らしいエンジンはディーゼルのTDIと並ぶもの。TSIはついに頂点を極めた」と賞賛している。フォルクスワーゲンの1.4リットルTSIは、日本では『ゴルフ』、『ゴルフヴァリアント』、『ゴルフトゥーラン』、『ジェッタ』、『シロッコ』に搭載。欧州では『イオス』、『ティグアン』やセアト『イビーサ』、『クプラ』と、幅広いモデルに採用されている。