5月25日に発表された新型VW『シロッコ』は、直噴ターボ(&ツインチャージャー)エンジンに「DSG」を組み合わせるなどで燃費性能に優れたモデルだ。「シロッコTSI」で15.8km/リットル、「シロッコ2.0TSI」で13.2km/リットルという10・15モード燃費を誇る。
いっぽうで、排ガス性能においては星(=低排出ガス)の認定を受けていない。そのこと自体の優劣をここで語るつもりはないが、実はユーザーにとっては購入のネックとなる可能性がある。
なぜなら、自動車取得税や自動車重量税が軽減されるエコ減税(環境対応車普及促進税制)の対象となる「低公害車」の対象とならないのだ。対象となるには燃費が優れるだけでなく排出ガス性能において4つ星(平成17年度基準に比べ75%以上低減)が求められるのである。
「もう数か月時間をください!」。発表会において報道陣にそう発言したのは、フォルクスワーゲングループジャパン社長のゲラシモス・ドリザス氏。つまりこれは実質的に、フォルクスワーゲン グループ ジャパンが排出ガス性能において☆☆☆☆をとる準備を進めている、と考えていいだろう。
フォルクスワーゲングループジャパン広報部によると「認可の問題なので、いつになるのかはわからない」というが、シロッコを狙っている人にとっては覚えておいて損はないニュースだろう。
ただし、こんな魅力的なモデルを「減税のため」だけに購入を先延ばしにしてしまうのは実に苦痛なことだと思われるが。