BMW 5シリーズGT…走りの世界

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BMWは22日、『5シリーズGT』(グランツーリスモ)を発表した。

5シリーズGTは、セダンやSUV、ステーションワゴンの機能を1台にまとめた、まったく新しいジャンルを提案した意欲作。シャシーは次期『5シリーズ』と共用し、全高はセダンとSUVのほぼ中間で、クーペのようなルーフラインや『X6』のように傾斜したテールゲートが特徴だ。独立したリアシートはスライド&リクライニング機構を備え、航空機のファーストクラス並みの快適性を追求。既存のモデルには飽き足らない顧客へ向けた、新ジャンルカーとして企画された。

エンジンはガソリン2、ディーゼル1の直噴3機種。すべてユーロ5の排出ガス基準に適合する。トランスミッションは、「760i」に先行導入された8速ATが全グレードに用意された。

ガソリンは「535i」が、ツインターボの「N54型」の後継のシングルターボ、「N55型」を搭載。3.0リットル直6ターボは、BMWとしては初めて、ハイプレシジョンインジェクション(高精度燃料直接噴射)付きツインスクロールターボとバルブトロニックを組み合わせた。スペックは306ps、40.8kgmとなり、最大トルクは1200rpmという低回転域から、5000rpmまでの幅広い領域で発生。11.2km/リットルの欧州複合モード燃費や209g/kmのCO2排出量は、N54型よりも改善されている。

「550i」は、他のBMWでおなじみの4.4リットルV8ツインターボ(407ps、61.2kgm)を積むが、『X5M』や『X6M』で培われた最新技術が投入されているもよう。0-100km/h加速は、535iが6.3秒、550iが5.5秒で駆け抜ける。最高速は、どちらも250km/h(リミッター作動)だ。

ディーゼルは「530d」が、3.0リットル直6ターボ(245ps、55.1kgm)を搭載。欧州複合モード燃費15.4km/リットル、CO2排出量173g/kmという優れた環境性能が売りとなる。

サスペンションは前ダブルウィッシュボーン、後ろマルチリンクで、リアにはエアサスを採用。「インテグラルアクティブステアリング」は、新型『7シリーズ』から導入された新機構で、フロントに連動してリアの操舵角も変えられるメカニズムだ。「ダイナミックドライブコントロール」は、エンジンのパワー特性や8速ATのシフトタイミング、パワーステアリングの特性を4段階で切り替えられる。

5シリーズGTは、9月のフランクフルトモーターショーで正式発表。欧州では10月後半から販売がスタートする。ドイツでの価格は530dが5万5200ユーロ(約736万円)、535iが5万5700ユーロ(約743万円)、550iが7万3500ユーロ(約980万円)となっている。

5シリーズGTのダイナミックな走行シーンを網羅したPR映像は、動画共有サイトで見ることができる。

《森脇稔》

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