マクラーレン、2011年に新型スポーツカー発売へ

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英国マクラーレンオートモーティブは20日、2011年初頭に新型スポーツカーを投入すると発表した。英国に建設する専用工場で、1日20台を生産する。

マクラーレンオートモーティブは1990年、英国に設立。F1のマクラーレンレーシングと同じグループ会社で、1992年、ゴードン・マレー氏が設計した『マクラーレンF1』を発表し、一躍その名を世界に知らしめた。

マクラーレンF1は、F1参戦で得たノウハウを生かして開発され、BMW製6.1リットルV12(627ps)をミッドシップに搭載。カーボンやアルミをふんだんに使用したボディは、わずか1140kgという軽さで、最高速は391km/hと、まさに「ロードゴーイングF1」と呼ぶにふさわしい性能を誇った。

フロント1、リア2という独自のシートレイアウトも大きな特徴で、当時の価格は、日本円で1億円というスーパーカーだった。また、レース仕様の『マクラーレンF1-GTR』が1995年のルマン24時間レースで総合優勝を成し遂げ、そのパフォーマンスの高さを実証している。

マクラーレンはその後、ダイムラーとのジョイントで2004年に『メルセデスベンツSLRマクラーレン』を発表。SLRマクラーレンは、『ロードスター』や『722エディション』などのバリエーションに発展したが、1月のデトロイトモーターショーで披露した『スターリングモス』をもって、生産を終了する。そのため、マクラーレンは次のスポーツカー開発構想を練っていた。

マクラーレンの発表によると、新型スポーツカーは2011年初頭に市販予定。ミッドシップレイアウトを採用し、高効率かつ高性能なスポーツカーになるという。すでに欧州では、マクラーレンの新型スポーツカーが公道テストを行う模様が目撃されている。

さらに、マクラーレンは新型スポーツカー生産のために、英国に「マクラーレンプロダクションセンター」(MPC)を建設。約800人を雇用し、2011年から年産1000台規模で新型スポーツカーの生産をスタートさせる。2015年までには、1日当たり20台、年間では4000台へ生産能力を拡大する計画だ。

マクラーレンのロン・デニス会長は、「1992年にマクラーレンF1を発表して以来、次なるオリジナルスポーツカーの発売が夢だった。新型スポーツカーは世界最高峰の性能を秘めたモデルとなる」と語っている。

現在の世界経済状況は、マクラーレンF1が登場した1992年当時とは激変。しかし、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーは、不況の影響をほとんど受けず、富裕層に確実な支持を得ている。勝算ありと踏んだマクラーレン、その新型スポーツカーに期待が高まる。

《森脇稔》

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