コマツは、100%子会社であるコマツエンジニアリングがシリコンウェーハ上の個別ICチップに、製造履歴などの情報を書き込む「チップIDマーカー」を開発し、5月から販売を開始する。
エコカー市場の拡大により、ハイブリッド車や電気自動車の生産が急速に伸びている。これらに搭載される電装品の半導体には、性能、安全性と信頼性を高めるための製造履歴情報が必要不可欠だ。
コマツエンジニアリングが商品化したチップIDマーカーは、コマツが世界で初めて開発した新方式のレーザー照射による「凸ドット形成法」を採用することで、製造履歴情報をウェーハ上の個別ICチップの表(おもて)面に、物理的に書き込むことを可能にした。回路が描かれるICチップの表面は、スペースが限られており、従来の技術では物理的なIDマーキングを施すことは不可能だった。
今回発売したチップIDマーカーにより、個別のICチップ毎にトレーサビリティの確保が可能となったことで、製造過程での粗悪品の混入を防ぐとともに、不具合品が発生した場合も、製造履歴で迅速に検索でき、早い対応と原因究明につながるとしている。