横浜ゴムが2004年に神奈川県平塚市に寄贈した横浜ゴム平塚製造所記念館の移築復元工事が終了し、今年4月から平塚市の文化施設として開館した。オープニングセレモニーには大藏律子平塚市長をはじめ、同社の高山章久平塚製造所長が出席した。
施設名は「旧横浜ゴム平塚製造所記念館」で、平塚市浅間町の八幡山公園に移築した。一般公募により愛称は「八幡山の洋館」に決定した。
同記念館は平塚市で唯一、県内でも数少ない明治期の西洋建築物で、現在、国の登録有形文化財に指定されている。資料館としての要素も備えており、館内には自由に見学できる展示室や応接室のほか、ピアノのミニコンサートもできる第1会議室、多くのダイニングテーブルがある第2会議室、厨房を整備している。
明治39年(1906年)頃、日本火薬製造の支配人の住宅として建設され、1919年に旧海軍火薬廠となってからは将校クラブとして使われた。1950年に横浜ゴムに払い下げされた後は応接室や会議室として利用された。1955年には国民体育大会に訪れた昭和天皇の休憩所としても使われた。
耐震上の問題で2001年から使用しておらず、後世に残すための活用方法を平塚市と話し合い、2004年に同市に寄贈した。