交通トラブル事件で起訴の男性に無罪判決

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昨年9月、岐阜県各務原市内の市道で、信号無視を巡る交通トラブルの末に相手の男性を死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた21歳の男性に対する判決公判が23日、岐阜地裁で開かれた。裁判所は男性に無罪判決を言い渡している。

問題の事件は2008年9月13日の午後11時50分ごろ発生した。各務原市那加桜町付近の市道で、48歳(当時)の男性が道路を横断していたところ、赤信号を無視して進行してきた2人乗りバイクと接触しそうとなった。

横断していた男性は「危ないだろう」と注意したが、この語気が強かったことからバイクを運転していた21歳の男性が激怒して口論に発展。やがて双方で殴り合いとなり、横断男性はこの弾みで転倒。路上に倒れた際に後頭部を強打し、近くの病院に収容されたが、脳挫傷が原因で数時間後に死亡した。

バイクを運転していた男性はその場から逃走。警察は後に傷害致死容疑で逮捕し、検察も同罪で起訴したが、男性は「死亡した男性が最初に暴行を加えてきたため、自分は防御する意味で対抗したにすぎない」と正当防衛を主張していた。

23日に開かれた判決公判で、岐阜地裁の田邊三保子裁判長は「双方での殴り合いになり、被告側が最終的には優勢となった」と認めた。

だが、その一方で被告も被害者の殴打によって負傷していたことに触れ、「被告は少なくとも1回、被害者は5回の殴打を受けていたとみられるが、被告に量や質的な過剰はない」と指摘。「被害者の死は被告の殴打が直接的な原因ではなく、揉み合いの際に転倒したことが原因」、「目撃情報からも殴打と頭部受傷の関連性を明確に認定できない」として、被告に対して無罪の判決を言い渡した。

《石田真一》

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