東レ、自動車・航空機向け総合技術開発拠点が完成

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東レ、自動車・航空機向け総合技術開発拠点が完成
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東レは、名古屋事業場(愛知県名古屋市)にコンポジット(炭素繊維複合材料成形品)製品の技術開発施設「アドバンスドコンポジットセンター(ACC)」が完成し、22日に正式開所したと発表した。

これにより同社では、2008年6月に開所した自動車向け総合開発拠点「オートモーティブセンター(AMC)」と、既存の「樹脂応用開発センター(PATEC)」とを合わせた、「自動車・航空機」分野向けの総合技術開発拠点「A&Aセンター」が完成したことになる。

同社は長期経営ビジョン「AP-Innovation TORAY21」のもと、先端材料で世界のトップ企業を目指し、特に自動車・航空機などの成長領域への先端材料の拡大を推進している。A&Aセンターは、これまで樹脂・ケミカル製品の製造・開発拠点であった名古屋事業場を、自動車・航空機向け先端材料の開発・生産拠点に転換する一環として整備を進めてきた。

A&Aセンターでは、オートモーティブセンター、樹脂応用開発センター、アドバンスドコンポジットセンターそれぞれが相互に有機的に連携・補完し、より多くの顧客に東レグループの先端材料・技術を融合したソリューションを提案する総合技術開発拠点として機能させる。

今回完成したアドバンスドコンポジットセンターは、愛媛工場(愛媛県松前町)のコンポジット開発センター、愛媛工場と滋賀事業場(滋賀県大津市)のコンポジット技術部を移転し、コンポジット製品開発の中核拠点と位置づけて開発機能を強化・拡充する。

同センターでは今後、コンポジット製品の設計、成形加工技術の深化をはじめ、熱可塑樹脂を適用した次世代コンポジット製品の開発、愛媛工場での炭素繊維、プリプレグ(炭素繊維樹脂含浸シート)開発との垂直連携を推進する一方、名古屋事業場で培ってきた樹脂・ケミカル技術の開発機能との融合や、自動車分野におけるオートモーティブセンターとの開発連携など、開発のイノベーションを推進する。また、航空機分野では、三菱重工業との共同開発のもと、新規成形技術によるコンポジット構造部材の開発を推進する。これらの取り組みにより、自動車・航空機を中心とする産業用途でのコンポジット製品の本格普及を推進し、炭素繊維複合材料事業の一層の拡大を目指す。

同社はA&Aセンターの本格稼動開始に引き続き、名古屋事業場の生産体制についても構造改革を進める。中期的には同事業場を自動車・航空機向け高機能樹脂、コンポジット、高機能ケミカル製品の中核工場として整備していく計画。

《レスポンス編集部》

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