オペルは15日、『インシグニア』に高性能バージョンの「OPC」を追加した。チューンド2.8リットルV6ターボ(325ps)に、ニュルブルクリンクで鍛えた足回りを組み合わせ、0-100km/h加速6秒、最高速250km/h(リミッター作動)のパフォーマンスを発揮する。
OPCとはオペル・パフォーマンス・センターの略。市販のオペル車をベースに運動性能を磨き上げたモデルを10年前から開発しており、すでに『アストラ』『コルサ』『メリーバ』『ザフィーラ』にOPC仕様を設定している。
インシグニアのOPCは、2.8リットルV6ターボ「エコテック」を搭載。ただし、吸排気系を中心に徹底チューンを施している。最大出力は325ps、最大トルクは40.8kgm。ベースエンジンに対して、65ps、5.1kgmもの性能向上を果たした。トランスミッションは6MT。エンジンや排気音のサウンドにもこだわったという。
ドイツ・ニュルブルクリンクで鍛え上げた足回りも自慢。フロントのストラットサスペンションは、トルクステアの低減、グリップの向上を狙ってチューニング。新たに「ハイパーストラット」という名称を与えられた。さらに「フレックスライド」サスペンションも導入。ドライバーの好みに応じて、「スタンダード」「コンフォート」「スポーツ」の3モードが切り替えられる。
リアに電気式LSDを組み込んだ「アダプティブ4WD」もリファイン。ブレーキはブレンボ製が奢られ、クロスドリルドタイプのローターは355mmと大径だ。タイヤサイズは245/40ZR19。オプションで255/35ZR20サイズも選択できる。
外観は2007年3月のジュネーブモーターショーで公開したオペル『GTC』をモチーフにしており、専用前後バンパー、メッシュグリル、サイドスカート、マットクローム仕上げのデュアルエグゾーストなどが識別点。とくにフロントバンパー左右には、2つの大型メッシュインテークが装着されるのが目を引く。
室内はレカロシート、フラットボトムステアリングホイール、専用シフトノブなどを装着。スポーティな雰囲気で統一されている。
インシグニアOPCは、5月7日に開幕するバルセロナモーターショーで正式発表。欧州では初夏に販売がスタートする。なお、英国ではヴォクスホール『インシグニアVXR』を名乗る。
オペルは「ライバルはアウディ『S4』」と明言。GMから離れて独自再生路線を歩むことになった新生オペルにとっては、OPCがイメージリーダー的役割を担うことになる。