スイスのチューナー、リンスピード社は25日、『E2』を発表した。フィアット『500アバルト』をベースにしたチューニングカーで、2種類のパワースペックが切り替えられる。
リンスピードは、フランク・M・リンダークネヒト氏が1977年に設立したエンジニアリング会社で、おもにドイツ車のチューニングを手がけている。毎年ジュネーブモーターショーに斬新なコンセプトカーを出品し、話題を集めることでも有名。すでに発表ずみの『iChange』(アイチェンジ)は、世界初の乗車定員に合わせて変化するボディを採用したコンセプトEVだった。
今回発表したE2も、リンスピードならではのアイデアが盛り込まれている。ベース車両は1.4リットル直4ターボ(135ps)を積むフィアット500アバルト。E2では運転席のボタンひとつで、2種類のパワースペックを選択できるようにした。
「コミューティング」モードは、市街地走行時に効果的。最大出力は60psに抑えられ、欧州複合モード燃費25km/リットルという優れた経済性を発揮する。
「ハイウェイ」モードは、高速道路やスポーティな走行用。最大出力は160psと500アバルトよりも25psパワフルで、欧州複合モード燃費は14.3km/リットルとなる。専用コンピューターが、燃料噴射やターボのブーストを制御して、パワー特性を切り替える仕組みだ。
E2は3月3日に開幕するジュネーブモーターショーで正式発表。iChangeとともに、リンスピードが考えるエコを表現した1台として注目される。