三洋電機は16日、太陽光発電の旺盛な需要に対応するため、HIT太陽電池セルの生産拠点である二色の浜工場内(大阪府貝塚市)に新棟を建設し、生産能力を増強すると発表した。
新棟は、2月17日に着工し、完成は10月の予定。生産開始は、市況を見ながら即座に対応できるように、設備の生産性向上も視野に入れ検討する。
現在、HIT太陽電池セルの生産は、二色の浜工場と島根三洋電機で行っており、合計で340MWの生産能力を持つ。今回、二色の浜工場の増強とともに、島根三洋電機でも既存工場に設備を増設することで生産能力を高め、2010年度には、二色の浜工場と島根三洋電機をあわせて現状の約8割増となる600MW程度の生産能力を目指す。
国内の太陽電池市場は「住宅用太陽光発電システム補助制度」の復活で、市場の拡大が期待される。また、欧米諸国でも、政府施策として、太陽光発電システムの導入に積極的な動きがあり、中・長期的に市場が拡大することが期待されると判断、生産能力を増強する。
同社は、HIT太陽電池について独自に事業展開をはかり、2020年度にはHIT太陽電池で、2GWの生産規模へと拡大していく計画。一方、薄膜太陽電池については新日本石油との対等出資による合弁会社「三洋ENEOSソーラー」で事業を展開する。