豊田通商は12日、豪州の珪砂採掘・精製会社であるケマートン・シリカサンド社(KSS)に33%出資し、KSS取り扱いの珪砂に関する販売権を取得したと発表した。
豊田通商の珪砂取り扱い数量は、現在年間約30万tで、日本市場向けシェア約2割となっている。今回の販売権取得で2009年4月からKSSの珪砂を販売、豊田通商の珪砂の取り扱い数量を年間約60万t、シェア約4割となる見込み。
珪砂は、別名「シリカサンド」とも呼ばれ、ガラス、半導体、壁材、鋳物用鋳型等向けに幅広く使用されている原料。国内の年間需要は、約450万tで、このうち輸入が約150万tを占めている。豊田通商は、供給安定性の高い豪州ソースを確保して今後の拡販につなげていく方針。
ケマートン珪砂の販売権を確保することで、KSSの筆頭株主で、輸入珪砂取り扱い量日本第2位のトウチュウとの関係をより緊密化する。今後は、トウチュウと共同で液晶やソーラー硝子の分野に進出し、珪砂事業を拡大する戦略だ。