【池原照雄の単眼複眼】国内減産ラッシュで冷える下期

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【池原照雄の単眼複眼】国内減産ラッシュで冷える下期
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◆今年度は7年ぶりの減少へ

第2四半期までの中間業績発表が続いているが、会見では業績の下方修正とともに、「減産」がキーワードなっている。夏場からは北米工場での生産調整が中心だったものの、海外全般での需要不振を受け、国内にも波及してきた。2007年度まで6年連続で増加していた国内生産は、減少が必至の流れとなっている。

今年度の世界販売計画を約20万台下方修正した日産自動車は、12月までに国内で当初計画に比べ8万5000台の減産を行う。北米向けの車種を生産する九州工場と栃木工場が中心になる。

トヨタ自動車は6日の決算発表で全体の計画を明らかにする見通しだが、やはり北米向けが主体のトヨタ自動車九州やトヨタ車生産を受託している日野自動車ではすでに大幅な減産に踏み切っている。

トヨタ九州は夏場から生産計画の下方修正を繰り返しており、10月下旬には今年度の生産を昨年度実績より10万台弱減少させることを決めた。


◆年率1060万台まで落ち込んだ米市場

さらに、スズキとマツダは年度当初の計画に比べ、それぞれ7万8000台、4万8000台を絞り込む。マツダは第3四半期からの減産となるため、下期での減産計画は7万3000台に及ぶという。

三菱は海外工場分も含め、下期に8万台規模を当初計画比で減産する。乗用車メーカー8社のうち、現状で国内での減産を打ち出していないのは北米向けの一部車種が不足しているホンダと、国内軽自動車販売が好調なダイハツだけという異常な状況になっている。

最大の原因は金融危機の震源地である米国市場の大幅な縮小だ。3日にまとまった10月の販売は年率換算で約1060万台と、25年8か月ぶりの水準まで落ち込んでいる。信用収縮により自動車ローンが組めない顧客が大量に発生しているのだ。


◆調整は深くなりそう

日本車最大の販売先である米国市場の今後の展開によっては、すでに進めている減産計画についても「見直しが必要になる可能性もある」(日産の志賀俊之COO)と見ている。

新興市場でも金融危機の影響が自動車販売に波及している。ロシアでの販売が好調な三菱は「顧客のローンだけでなく、販売会社も十分な資金調達ができないケースが出ている。下期については慎重に見て計画を下方修正した」(益子修社長)。

6年連続プラスとなった07年度の国内生産は、前年度比2.6%増の約1179万台だった。今年度は上期(4 - 9月)が前年同期比5.6%増の約580万台と、増勢を保っている。

だが、これだけの減産ラッシュだと、年度では減少が免れまい。昨年度は下期の生産が高水準だっただけに、今後の調整が深くなることも覚悟しなければならない。
《池原照雄》

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