グラン・ソレイユといい、ランチアのウォッシャータンクといい、日本だったらクレームの嵐になっていただろうが、あまりそういう話は聞かない。グラン・ソレイユがすでにどのくらい輸出されているのかは知らねど、各国の輸入代理店はイタリア車のインポーターと同じくらい大変だと思う。イタリアのプロダクトと接するには、そのへんの「あ・うん」の呼吸が必要なのである。
ようやく先日、ローマの外れのスーパーで売れ残った“土台”を発見した。「コ、コレだーッ!」と鼻の穴を膨らませ、商品1箱と一緒にレジに向かった。ところがレジ係のおばさんは、「これ、2箱買わないとあげられないわよ」と言うではないか。仕方がないので、もう1箱を取ってきて、ようやくその土台を手に入れることができた。
ちなみに、そのとき購入した最新バージョン「カフェ・エスプレッソ味」の外箱にも“幻の土台”がしっかりとプリントされていたのであった。
喰いすぎ注意 |
筆者:大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)---コラムニスト。国立音楽大学卒。二玄社『SUPER CG』記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わずファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』のレポーターをはじめ、ラジオ・テレビでも活躍中。主な著書に『カンティーナを巡る冒険旅行』、『幸せのイタリア料理!』(以上光人社)、『Hotするイタリア』(二玄社)、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)がある。