実際どうやるかというと、まず箱ごとよく振る。これで、中で分離されていた成分が混ざるのであろう。そのあと冷蔵庫のフリーザーに入れる。箱の説明にはフリーザー内に決して箱をひっくり返したり、斜めに置いたりしてはいけないと記されている。これも成分が均一に行き渡るようにするためだろう。充分冷えたらできあがりだ。
肝心の味はというと、ジェラートとシャーベットの中間である。メーカー自身も、どちらとも言わず「デザート」と言っている。イタリアでは、ジェラートと表記してよい製品の定義が厳密であることも背景にある。
1カップ65gというボリュームは、本気で食べようとすると少々物足りない。しかし、食後のデザートとしては、とくに日本人にとっては過不足ない量である。
似たような商品として、ドルフィンというシチリアの会社から、『センソフレッド』という商品も発売されている。2カップ組で2.15ユーロ(約350円)だ。地場レモン&ウォッカ味が特徴で、こちらはメーカーも書いているとおり明らかにシャーベットである。なお、上記の2商品とも保存料、着色料なしを売り物にしている。
参考までに、振ると温かくなる商品は5年から存在した。『カルドカルド』(イタリア語でポカポカ)というエスプレッソ・コーヒーである。 カップを逆さにして底部分を押し、40秒間振り続けると温かくなるものだ。インスタント熱燗『燗番娘』のイタリア版である。
本当のエスプレッソのように上部にクレマ(クリーム)がないのが寂しいが、暖をとれることは確かだ。そのためサッカー場の売店などで売られている。また、以前本欄で記したように、自動販売機が普及していないことも、この商品誕生のきっかけだろう。