8日にデビューしたマツダ『ビアンテ』は、2005年に生産を終了した『ボンゴフレンディ』の後継車であるといわれているが、マツダのスタッフ陣はこれを否定している。
8日の発表会でマツダ関係者は、「後継でないのは明らか。両者は成り立ちからすべてが違う。プラットフォーム、レイアウト、パワートレーン、エンジンの置き方も違う。ビアンテはまったく新しいモデル」と話す。確かに、ボンゴフレンディは、1列目シート直下にエンジンを縦に置くMRベースで、ウォークスルー性はほとんどなかった。が、ビアンテはFFレイアウトでフロアはほぼフラット。“床周り”だけでもだいぶ違いがある。
「ビアンテはボンゴフレンディの後継ではない。たまたまセグメントが同じところに入っているだけ」とマツダ・国内営業本部副本部長の西山雷大氏。
同社国内営業本部商品ブランドマーケティング部商品戦略グループアシスタントマネージャーの島村肇氏は、両者のコンセプトの違いについて言及した。
「ボンゴフレンディは、キャンプなどのアウトドアなどにもマルチに対応できる『多用途』がひとつのコンセプトだが、ビアンテは『多人数乗車』。たくさんの人が心地よく乗っていただけることを目指したクルマ。後継と呼ぶのは正しくないだろう」
マツダの新たなトール系ミニバンは、ボンゴフレンディの生産終了から約2年半の空白の時を経て、まったく新しいコンセプトとターゲットをもって生まれたといえるだろう。