1 | いつものバスがマイクロに! |
イタリアも石油価格高騰に悩まされている。
本稿を執筆している6月9日時点で、アジップ社のレギュラーガソリン標準小売価格は1リッターあたり1.524ユーロである。円安ユーロ高ということもあって、円換算すると約253円に達する。
さらに恐るべきことに、軽油もレギュラーと同価格に設定する店が5月から続発している。ディーゼル車に乗るメリットは、もはや燃費くらいしかなくなりつつある。
そうした中、フィアットは6月4日から翌週まで南部カッシーノ工場の操業を停止した。『ブラーヴォ』の生産を担当する、主要工場のひとつだ。燃料高騰に抗議するトラックドライバーがノロノロ運転のデモを欧州各地で展開したため、部品供給が途絶えたためであった。
身近なところでは、筆者が住むシエナを走るバス会社も苦戦している。たとえアイドリングストップ機構のないバスでも信号ではエンジン停止を励行するのはもちろん、休日に乗降客が減る路線は小型バスに切り替えた。
我が家も5月は自家用車に乗らず、バスで移動するように心がけた。食料品を買いに行くスーパーも、よく考えてみれば我が家の前から15分ごとにバスが出ていた。
さらに面白いもので、バス停で時刻表を眺めていると、知らずしらずの間に充実している路線があることに気づいた。今夏はついに100km以上離れた港まで直通バスができて、そこからフェリーに乗り継げばエルバ島まで行けることもわかった。
同時に、「小型バスはいまだ低床式が少なく、お年寄りが極めて乗りにくい」とか、「スライドドアが外側に開くバスは、2輪ライダーに恐怖感を与える」といった公共交通機関の要改良点も検証することができた。
この公共交通機関利用作戦、ちょうど2年に1度の車検月にあたってしまったので、厳密にいうとディーラーの整備工場までクルマで往復した。だがそれを除くと、ついにクルマ稼動ゼロを達成することができた。
ただし、節約ばかりでは気持ちもしょげる。そこでボクが「逆見直し」を図ることにしたのは「パスタ」である。