米国の国民的レース、インディ500が開催された。戦没者記念日の週末にあたる25日、インディアナポリス・モーター・スピードウェイに集った推定40万人の観客が第92回を迎えた伝統の一戦を見守った。
1週間前に行われた最後のグリッドを競うバンプディは、日本人としては最多の5年連続インディ500参戦を果たしていたロジャー安川ら、実力派ドライバーも予選落ちする熾烈なものとなった。
10列、33のグリッド最前列に並んだのはポールポジションのスコット・ディクソン、ダン・ウェルドン、ライアン・ブリスコー。
武藤はルーキー中予選最速で予選通過し9番グリッドを確保した。他にも、ダニカ・パトリック、サラ・フィッシャー、ミルカ・デュノと3人の女性ドライバーや、インディ・ジョーンズのレーシングスーツに身を固めたマルコ・アンドレッティ、AJフォイト4世、初参戦となるグラハム・レイホールらアメリカの名門レース一家の若手が揃い、例年にも増して注目度の高い陣立てだ。
9人のドラーバーが交互にトップに立ち、19回のリードラップチェンジとなる激しい戦いはまた、ルーキーのみならず2006年のシリーズチャンピオン、トニー・カナーンまでもがコンタクトで戦列を去る荒れ模様の展開となった。
8回のイエローフラッグが振られたが、終盤の171周には、コーション中の一斉ピットインで混雑するピットレーンで、アウトに膨らんだブリスコーに引っかかる形でダニカ・パトリックが追突し、2台揃ってリタイア。マシンを降りたダニカは、まっすぐブリスコーのピットに向かい、セキュリティに押しとどめられるシーンもあった。
200周500マイルの激戦を制したのはスコット・ディクソン。176周、最後のリスタートでトップにたったディクソンは、後続のビトール・メイラ、マルコ・アンドレッティらを突き放し、ポールtoウィン。
終盤、一時は5番手まで順位をあげた武藤は7位で初のインディ500を走りきった。