【D視点】彫りの深さのエキゾチシズム…プジョー 207SW

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【D視点】彫りの深さのエキゾチシズム…プジョー 207SW
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クルマの凹凸の大きさは、顔の彫りの深さに似る?

古い話になるが、仕事でミラノに向かう機中、仲睦ましいイタリア人の若いカップルの隣席に座る機会を得た折のこと……。長い夜を持て余し、彼氏の膝の上に頭を乗せて眠っている彼女を観察する羽目になってしまった。

握りこぶしよりは勿論大きいが、まさに西洋人形と見まがうくらい小さな頭部。顔と比べてアンバランスに大きく尖がった鼻は、大きく窪んだ目とコントラストをなし、彫りの深さが強調されている。

密かな観察には後ろめたさもあったが、目を離せなかったのは、金髪の美人であったことだけではなく、何か発見があるように感じていたのであろう。彫りの深い顔を見るのが日常の西欧のデザイナーにとっては、クルマのデザインの大きな凹凸も、自然な表現であったと気付いたのだ。

日本のクルマの立体感の無さに疑問を感じていた筆者にとって、欧州車の立体的なデザインの秘密の発見に小躍りしそうであった。扁平な顔に慣れた日本のデザイナーの感性が、控えめなカーデザインとなっていたことも、立体的な欧州車のカタチが、エキゾチシズムの魅力でもあることも瞬時に理解できたのだ。

D視点:
デザインの視点

筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』をこのほど上梓した。
《松井孝晏》

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