国内繊維メーカー、高機能素材など新規事業で生き残り…富士経済調査

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富士経済は、高機能繊維市場を調査してその結果を報告書「高機能繊維市場実態総調査2008」にまとめた。調査結果によると2000年に日本の繊維製品出荷額は7兆5670億円だったが、2007年には4兆3900億円にまで急激に縮小している。

中国や東南アジア諸国の技術水準が向上し生産量も増大してこれらの安価な製品が輸入されたのが原因とされる。

国内繊維メーカー各社は、従来の事業で培った基盤技術に加え、コンポジット化、高分子、バイオ、ナノ技術など高度な先端技術を応用し、自動車、航空機、宇宙ロケット、エレクトロニクス、メディカルなどの産業分野に高機能素材を供給する新しい事業を活発化している。

注目される主要高機能繊維としてはガスケットや摩擦材に使用されるバラ系アラミド繊維は、2007年の世界市場が2000億円だったのが2011年には3000億円に拡大すると予測。摩擦材やガスケット用途ではアスベストの代替材として、他の繊維素材や金属と混合して用いられる。ゴム補強用途では、高性能ラジアルタイヤへの採用が目立つ。タイヤの軽量化や強度向上に対応できる素材として注目されている。

ディーゼル車用排ガス触媒保持材、高熱炉断熱材などに使用されるアルミナ短繊維は、2007年の世界市場が651億円だったのが2011年には1040億円と急増すると予測。自動車分野で、自動車の排出ガス(窒素酸化物など)を浄化する触媒コンバーターの保持材として使用される。最近の排気ガス規制強化を背景に触媒反応を約1000度の高温で行うことが求められ、マット状に成型したアルミナ短繊維の無膨張型保持材の需要が急速に拡大しつつある。

国内市場のDPF(ディーゼル車用排ガス浄化装置)向けも今後需要が増すと見られる。DPF向け触媒保持材は、ディーゼル化が進む欧州・北米の需要が先行しているが、日本や中国などの需要を取り込めば、大幅な市場拡大に結びつく可能性がある。三菱樹脂は、2007年50%の世界シェアを2010年には70%以上に引き上げるため設備能力を8000トンに拡大する計画だ。英サフィル社は、自動車と高温断熱材の二つの分野で事業を展開しており、DPF需要への対応が当面の課題となっている。

調査は、付加価値を高めて収益拡大を目指し、各社が開発を競い合う高機能繊維の市場動向やメーカー各社の参入、用途展開などを明らかにし、今後の事業の方向性や可能性を把握するための情報提供を目的に実施した。
《レスポンス編集部》

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