5月16日に日本デビューを果たすジャガーの新型スポーツサルーン『XF』は、スタイリングを見ても明らかであるように、旧来のジャガーのイメージから大転換を図った“新生ジャガー”の試金石という位置づけのモデルだ。
メインターゲットとなるカスタマー像は年収2000万円以上の男性だが、「旧型モデルに相当する『Sタイプ』(カスタマーの平均年齢=54歳)に比べ、30代、40代の若年層カスタマーの支持も得られると期待している」(ジャガージャパン関係者)と、若返りにも期待を寄せる。
ジャガーと言えば、良く言えば伝統的、悪く言えば冒険がなく古臭いというイメージがある。このイメージは何も日本市場ばかりのものでなく、欧州、米国などでも同様だ。
長年をかけて築いてきたブランドの価値を損なうことなく、そのイメージをいかに刷新するかということは、ジャガーにとってかなり前からの懸案事項であった。90年にはイタルデザインの手による斬新なコンセプトモデル『ジャガー・ケンジントン』を発表し、イメージ転換を試みたものの、フォードに買収されたことで計画がキャンセルになったという過去もあった。
それから18年後の今日、ジャガーは新型のXFでようやく念願の“イメチェン”を果たすことになった。
本社デザインディレクター、イアン・カラム氏はプレス発表会で映されたビデオメッセージの中で、フロントからリアに至るあらゆる部分にジャガーの歴史的モデルのデザインモチーフが反映されていることを力説していたが、4ドアクーペのように前進感の強いフォルム、アストンマーティンやレクサスを連想させるような硬質なボディ表面の張りやシャープネスなどが与える印象は、旧来のジャガーとはおよそ異質なものだ。
「これまでのジャガーユーザーだけでなく、ジャガーブランドに興味はあるが、古いジャガーのデザインには興味がないというユーザーにも受け入れてもらえると思う」(デービッド・ブルーム・ジャガージャパン社長)
2007年度は平均月間販売台数が200台を下回ってしまうなど、日本におけるジャガーのセールスはこのところ低調だった。世代交代を明確に感じさせる『ジャガーXF』で、ブランドの存在感を高めることができるか、要注目である。
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