デンソーは17日、名古屋市内で記者会見を開催し、深谷紘一社長(64)が取締役副会長に就任し、加藤宣明専務(59)が社長に昇格する人事を発表した。6月末の株主総会後の取締役会で決定する。
深谷社長は「厳しい競争に打ち勝ち、さらなる成長を果たすにはトップの若返りによる経営体制の強化が必要」と交代の理由を語った。
新社長に就任する加藤氏は1971年3月慶応義塾大学商学部を卒業、同年4月に日本電装(現デンソー)に入社し、冷暖房企画部長、総合企画部長などを務めた。2000年6月に取締役、04年6月常務役員、07年6月に専務取締役に就任した。05年6月にはデンソーヨーロッパの社長に就任し、赤字の欧州事業を立て直した実績がある。
現在は、監査、経営企画、広報、法務、調達などを見るコーポレートセンターを担当している。デンソーを代表する製品であるカーエアコンなどの熱機器事業グループを担当している。
現社長の深谷氏は技術系の出身。7年間社長を務めた前社長の岡部弘氏は事務系の出身。加藤氏の社長就任で、デンソーは再び事務系がトップに立つことになる。
深谷社長は加藤氏を後任に選んだ理由について「デンソーの社長には、グローバルな視点、経営戦略の立案・推進、強力なリーダーシップが必要であり、その全てを満たしている」と評した。