デンソーは12月10日、一般社団法人全日本持続的養鰻機構を通じて、シラスウナギの採捕事業者および取扱事業者に対し「シラスウナギトレーサビリティ支援システム」を提供すると発表した。
2025年12月1日から、水産資源の持続可能な資源利用と適正な流通を目指す「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律(水産流通適正化法)」がシラスウナギに適用された。これにより事業者には、行政機関からの届出番号・事業者割振り番号の取得、取引における漁獲番号等の情報伝達、取引記録の作成と3年間の保存が義務付けられる。
取引記録は、日付、16桁の漁獲番号・荷口番号、取引量、取引先の事業者名などを取引の都度記録し、さらに出荷時に入荷時の取引記録と紐づける必要がある。1日に100件以上の取引が行われる場合もあり、事業者の事務作業の効率化が課題となっている。
デンソーが開発したシステムでは、採捕事業者ごとに発行されたシステムログイン用QRコードを読み取ることで、採捕事業者の届出番号を含む漁獲番号を自動で生成できる。ここに取引量を入力することで取引記録が作成され、データベース上に保管される。
採捕事業者から取引を受けた一次取扱事業者は、次の取引に必要な取引記録のみを参照できるQRコードを発行・伝達する。このQRコードを参照することで、容易に取引記録を確認することができる。取引記録は、当事者とその取引相手のみが内容を閲覧できる仕組みとなっており、第三者からの閲覧を防ぐ高い情報セキュリティを実現している。
開発にあたっては、全日本持続的養鰻機構を通じて鹿児島県、宮崎県、愛知県の各県の一部地域の事業者を対象に実証実験を行い、実証参加者からのフィードバックをもとに改良を重ねた。事業者の多くを占める高齢者や初めて利用する方でも使いやすいUIデザインの採用、さまざまな取引形態への対応、さらにシステム利用者数の増加を見据えたサーバー処理能力の最適化などを実施した。
システムは12月から全国のシラスウナギ漁獲期に合わせて運用を開始し、年間約1万人の事業者の利用を見込んでいる。デンソーは今後も、資源の持続可能性を支えるソリューションの提供と、食流通に携わる事業者の負担軽減に向けた取り組みを通じ、食の安心・安全に貢献していく。



