マツダの国際戦略の中核を担う新型「アテンザ」シリーズ(1月29日発表)は、世界の自動車メーカーが力の入ったモデルを投入している激戦区「Dセグメント(全長がおおむね4.5m - 4.7m台の乗用車)」クラス。はたしてライバルとなるのは---。
性能比較という観点でのライバル。アテンザの主査を務めた梅下隆一氏は、「開発過程でライバルに見立てたのは、日本メーカーのモデルではホンダ『アコード』、スバル『レガシィ』でした」と語る。
「一方、アテンザの主戦場である欧州のライバルは、EU市場での圧倒的メジャープレーヤーであるフォルクスワーゲン『パサート』、プジョー『407』、BMW『3シリーズ』。アウディ『A4』も開発初期には見ていましたが、モデル末期だったこともあって除外しました」
それらの車名を見ると、それぞれキャラクターは異なるものの、走行性能の高さに重きを置いたロングツアラーという点は共通。仮想ライバルの選定は“最高の高速ロングツアラー”を標榜するアテンザシリーズのキャラクターを象徴している。
「アテンザは“Zoom-Zoom”、すなわち走りの楽しさを前面に押し出したモデルですが、先に挙げたライバルも走りの楽しさという点では非常に高いポテンシャルを持っています。そのなかでアテンザならではの魅力を出すには、単に運転が楽しいという段階からもう一歩踏み込んだ個性が必要でした」
「その個性を、高速ロングツーリング性能に求めたのです。ロングドライブ時の性能や楽しさでライバルに絶対に勝つよう、クラス最高レベルの空力特性、ハンドリング、安全装備を持たせたのです」
アテンザは欧州で、操縦安定性やハンドリングの良さが高く評価されてきたが、新型ではあらゆる性能項目で旧型を大きく上回っているという。ロングドライブの機会が多いユーザーにとって、アテンザは有力なマイカー候補となり得るモデルと言えるだろう。