【池原照雄の単眼複眼】暫定税率、「10年延長」という爆弾

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【池原照雄の単眼複眼】暫定税率、「10年延長」という爆弾
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◆自動車ユーザーに最悪の展開も

道路特定財源の暫定税率をめぐる与野党の攻防は、与党が3月末に失効する暫定税率の期限を5月末まで2か月延長する「つなぎ法案」を提出、一段と混迷してきた。4月にガソリン税や自動車取得税が一時的に引き下げられる可能性は遠のいた形だが、仮にそうなったとしても与野党は引き続きこの問題の議論を深めていくべきだ。

とくに与党が最終的な成立を目論む租税特別措置の一括法案には暫定期限の「10年延長」という爆弾が仕掛けられているのが大問題である。これが成立するようだと、今後10年も高い税率のまま、なし崩し的に一般財源化が進むという自動車ユーザーには最悪の展開も考えられるのだ。

与党の「つなぎ法案」は、1月中に衆院で可決した後、参院で採決されなくても憲法59条の「60日ルール」を使い、3月中に衆院で再議決し成立を図ろうというものだ。これによって、道路特定財源の暫定税率などを含む現行の租税特別措置を5月末まで2カ月延長、与党はそのうえで本来の一括法案(租税特別措置法改正法案)を成立させる構えだ。


◆5年きざみが一気に10年に

一括法案の中には、中小企業の設備投資減税や証券優遇税制なども含まれており、延長できないと4月から増税になるものもある。こと争点となっているガソリン税など道路関連税制だけでないので、「混乱を回避しなければならない」というのが与党の主張である。

であるなら、野党との争点になるのは明白だった道路関連税制分だけは、独立させて改正法案を提出すればいいものを、与党はそうしなかった。中小企業向け減税などを「人質」として一括法案を通そうという戦術である。

ともあれ、この法案に盛り込まれた道路特定財源の暫定税率の延長期間については、いま一度注目しておきたい。暫定税率はこれまで、5年きざみの延長だったのが、今回は10年となっているのだ。国土交通省が昨年末に策定した「10年間59兆円」という道路整備計画に対応する財源措置となる。


◆まず余剰分を暫定税率軽減へ

とても「暫定」と呼べる期間ではなくなる。これが通ると、道路整備に使われるならまだしも、やがてなし崩し的に一般財源の使途が拡大する恐れは免れない。

「つなぎ法案」が衆院で可決されても、野党は国会を空転させるのでなく、論戦に挑んでもらいたいところだ。その際、条件闘争も必要になるのではないか。

2007年度予算では道路特定財源から、余剰分としてすでに約6100億円が一般財源や「使途拡大予算」に使われている。まず、この余剰分をガソリン税あるいは自動車重量税の暫定税率軽減に回す。これだと道路歳出を圧迫することもない。そのうえで与党が目指す10年という暫定税率の延長期間も大幅に圧縮する---という条件闘争である。
《池原照雄》

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