新型『アテンザ』のステーションワゴンには「カラクリトノボード」なる新アイテムが標準装備されている。
このカラクリトノボードとは、トノカバーがリヤゲートの開閉に合わせて自動的に上昇し、その都度トノカバーを格納しなくてもラゲッジの荷物を出し入れすることができるというものだ。
カラクリトノボードの開発を担当した高原順司さんは「このようなアイテムはメルセデスベンツ『Eクラスワゴン』などにも採用されていますが、Eクラスは電気モーターを採用しています。しかし、モーターを採用すると重量やコストが増加してしまいますので、アテンザではメカニカルな装置で対応できるものを作ることにしました」という。
「最初はダンボールなどで試作品を作り、さまざまな試行錯誤を繰り返した結果、最終的に現在のようなうまい具合に巻き取れるものができました」
実際にワゴンのリヤゲートを開けてみると、トノカバーがリヤゲートと同時に上昇するので荷物の出し入れが楽に行なえる。そしてリヤゲートを閉めれば、通常のトノカバーを掛けた状態とまったく変わらないので、ラゲッジ内のプライバシーを保つことができる。
また、リヤゲートを開けたときにはトノカバーの後端部分が延長される仕組みになっているが、その部分がメッシュの生地なので車内とのコミュニケーションも取りやすくなっている。
一見、簡単な装置に思えるが、トノカバーの折れ具合などは干渉するギリギリのところで作られており、開発の苦労が窺える。新型アテンザワゴンを見る際には、よく見ておきたいポイントのひとつだ。