【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】環境ソリューションとして将来性あり

エコカー 燃費
【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】環境ソリューションとして将来性あり
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三菱ふそうトラック・バスが2007年9月に発売した新型ハイブリッド大型路線バス『エアロスター・エコハイブリッド』のプレス向け試乗会が、栃木県にある同社の喜連川研究所内で行われた。

外観は、ルーフ上に設けられた大型のバッテリーケース以外は、普通の2ドア型路線バス仕様車とほとんど変わるところがない。インテリアデザインも、一人、二人掛けシート、横掛けシートなどが効率的に配され、手すりやつり革も装備された、ごく見慣れたものである。ただし、乗車定員についてもはハイブリッド化に伴い、普通のモデルより定員が若干減少している。

大きく異なるのは運転席の計器類やスイッチ類、シフトパターンなどだ。通常モデルではタコメーターが装備される部分には、バッテリーの状態を示すエネルギーモニターが設置されている。ハイブリッドシステムが万が一故障したときのための非常走行スイッチや、走行法を書いたプレートなども設けられている。

運転法は基本的に普通のバスと同じだが、モーターには変速機構がないため、シフトチェンジの必要はない。AT車と同様、アクセルとブレーキの2ペダルでスピードコントロールを行うのだ。

さて、実際に走らせてみると---。加速はなかなか力強い。駆動モーターは79kWのものを2機装備し、トータル出力は158kW(215ps)。

一般的な路線バスが300ps前後のエンジンを搭載しているのに比べると数字的にアンダーパワーだが、停止状態からの発進でも強大なトルクを得られるという電気モーターの特性もあって、市街地走行では動力性能が足りないということはまずないと言えるレベルを達成している。テストコースではかなりの勾配である10%(100mごとに10m登る)も試すことができたが、乗客がなく車体が軽かったことも手伝って、発進加速も含め何のストレスも感じられなかった。

車内の静粛性は高い。とくにエンジンが停止してるときは、アイドリングの振動が車内にまったく伝わってこないため、快適である。音は普通のバスとまったく異なる。強いて言えば、ホイールクレーンなど油圧ポンプ駆動車の“ギューン”という走行音を大幅に小さくしたような音質だった。

燃費については計測できなかったが、普通のバスがリッターあたり3km前半くらいとなる交通状況下で、おおむね4.5kmほど走るという。省エネ効果は3割前後となる計算だ。ハイブリッドバスは価格の面でまだまだ大きな課題を抱えているが、環境技術としては将来性含め、かなり有効なソリューションになり得ると言えそうだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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