カリフォルニアで、LNGトラックの実証試験…川崎汽船と三菱商事の米子会社

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川崎汽船の米国子会社であるインターナショナル・トランスポーテーション・サービス社(ITS)と三菱商事の米国子会社のサウンド・エナジー・ソリューションズ社(SES)は、米国ロングビーチ港にあるITSのコンテナ・ターミナルでLNG仕様コンテナ牽引用作業車輌(ヤードトラック)の試験運転を実施することで基本合意した。

ITSは3台のLNG仕様ヤードトラックを導入し、1年間にわたって性能試験を実施する。

SESは2005年秋からロスアンゼルス・ロングビーチでLNG仕様ヤードトラックの普及を促進してきており、ITSによる試験運転は4つ目のプロジェクトとなる。 LNG車は、米国ではカリフォルニア州を中心に現在約3000台が実際に運行されているが、利用は公共バス、ゴミ回収車が大半で、ヤードトラックへの本格導入は進んでいない。

LNG車はディーゼル車と比べ、NOx(窒素酸化物)を85-95%、PM(超微粒子)を90%削減でき環境性能が高い。ロスアンゼルス、ロングビーチ両港湾地区の既存ディーゼル車約1500台をLNG車に切り替えることによるNOx、PMの削減量は年間170トンになる見込み。

カリフォルニア州には自動車用LNG燃料の供給施設がなかった。SESがロングビーチで建設を計画中のLNG受入基地は、年間500万トンの受入能力のうち2-3%を自動車用LNGとして最適なメタン留分ほぼ100%のLNGとして製造出荷できる設計になっており、自動車用LNGの重要供給拠点と期待されている。

ITSは日本企業として初めて、1971年にロングビーチ港に開業した。 ITSと川崎汽船は昨年、ロングビーチ港湾局と20年間にわたるコンテナ・ターミナル優先使用契約「グリーン・リース」を締結、この契約の中で、3者共同でカリフォルニア州で深刻化している環境問題と港湾の発展拡大の課題を両立させるため、積極的に取り組んでいくことで合意している。

今回のLNG仕様ヤードトラックの試験運転は、川崎汽船グループによる世界各地各港の環境保全に向けた積極的な取り組みの一環として実施する。

《レスポンス編集部》

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