フィアットの「シーラカンス」になる?

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新型『500』ばかりに話題が集中しているフィアットだが、実はこんなモデルも引き続きカロタグに載っているという話。1999年に誕生した2代目『プント』は、2005年に『グランデ・プント』がデビューしたあとも、欧州市場で販売されている。

イタリア市場では『プント・クラシック』に改名され、エンジンは1.2リットルガソリンと、1.3ターボディーゼルが残されている。また、商用車仕様も引き続き生産されている。現在の生産は、ミラフィオーリ本社工場が担当している。

イタリアでは 「最も熟成されている」として、モデル末期の車を求めるユーザーが少なくない。2003年に新型『パンダ』が登場した際も、旧型の最終版を買い求める客がしばらく続いた。

プント・クラシックも、いまだ堅調なセールスを続けており、今年4月のイタリア国内登録台数ではグランデ・プントの1万4631台に及ばないものの、5150台を記録。ライバルのルノー『クリオ』やプジョー『207』を上回った。

ちなみにフィアットはクラシックのさらなる拡販を図るべく、18日イタリア各地の新聞に「政府の乗用車買い替え奨励金制度を使用すると、プント・クラシックが8250ユーロ(約138万円)で買える」という広告を掲載した。

いくらワインからチーズまで“熟成もの”を好む国民性があるとはいえ、新型車発表合戦が続く世界の自動車業界で、8年も前にデビューしたモデルがいまだ5000台/月ペースで売れている。そのうえ将来、海外工場に移転して、さらに生産が継続されたりすると、フィアットの“シーラカンス”になる可能性大だ。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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