地デジへの徹底したこだわり
本機を語るときに真っ先に挙げられるもの、それは地上デジタル放送(地デジ)への徹底したこだわりだろう。
4チューナー+4アンテナによる高感度受信はもとより、12セグとワンセグをほとんど切れ目なくシームレスで切り替えれたり、電子番組表(EPG)からダイレクトにタッチして番組が選べるようになっているなど、その実力、使いやすさは明らかにライバルを凌駕するものだ。地デジの受信能力は従来比で約1.8倍もの広域受信を実現したとしているが、確かにその能力は高く、これまでならワンセグに切り替わっていたエリアでも12セグのまま受信することができていた。さらに走行中でもブロックノイズが入ることはほとんどなく、その安定ぶりは従来モデルをはるかに超えたと言って間違いない。
その美しい映像表現も見逃せないポイントだ。パナソニックは家庭用デジタルTVにおいて、独自の高画質回路「PEAKSプロセッサー」を採用しているが、本機ではそこで培った技術を惜しみなく投入。7.0V型W-VGAディスプレイを活かした美しい映像表現を可能としたのだ。それは人の表情からもわかる。微妙に変化する肌のグラデーションをしっかりと表現し、色の階調もきわめて豊かに再現する。この抜きんでた映像表現力により、地デジはもちろん、DVDビデオ再生でもその能力はいかんなく発揮されるのだ。
◆ナビの機能を補完してくれる「おでかけストラーダ」
ドライブでの魅力をさらに高めてくれそうなのが新採用の「おでかけストラーダ」である。これは、カーナビには収録しきれなかった新スポットの情報はもちろん、季節や歳事にあわせたドライブコースプランなどをネット上から紹介してくれる新機能。
PCから本機への転送はSDメモリーカードを使い、PC上で作った自分だけのオリジナルプランも転送することも可能。ルート条件も経由地間ごとに設定できるようになっており、取得した情報はQRコード(二次元バーコード)経由で携帯電話での利用が可能となるのも実用的だ。カーナビだけでは対応しきれなかった部分を補う機能としてその用途はかなり広いと言っていいだろう。
◆時代の流れを捉えた機能アップ
Buluetoothへオプションで対応したのも新たなポイントとして注目できる。Bluetoothと言えば一般的には携帯電話のハンズフリー用として考えられがちだが、本機ではAVプロファイルに対応したことで携帯電話やポータブルプレーヤー内に収められている楽曲をケーブルレスで再生可能としている。あくまで再生/トラック送り(戻し)/停止といったコントロールだけのリンクとなるが、煩わしい接続もなく、音楽再生が行われるのは使ってみればすぐにその便利さがわかるはずだ。
インターフェイスでは好評のハイグレード簡単ツートップメニューを採用し、好みに応じてトップメニューのカスタマイズも可能としているなど、総じて使い勝手は良好である。地デジの4チューナー化やBluetoothへの対応、専用サイトの利用で拡張性を図るなど、時代の流れをきちんと捉えた機能アップが図られたモデルと言える。