新型メルセデスベンツ『Cクラス』(6月22日日本発表)の技術的な特徴のひとつに、グローバル対応を考慮した設計がある。
欧州メーカーはクルマを作るにあたり、欧州での使用に最適化させることを優先する傾向が強かった。ダイムラーはその最右翼のような存在だったが、グローバルでの販売を考えた場合、仕向地によって変更する部分が多ければ多いほどコスト競争力で不利になる。
そこでダイムラーは、世界共通仕様を強く意識したクルマ作りへと大幅に舵を切っていたが、新型Cクラスはその成果が強く反映されたモデルとなった。
「新型Cクラスは、日本の法規に適合させるために必要な変更が、歴代モデルと比べてもきわめて少なくてすんだのが印象的でした。日本の法規がEUとハーモナイズされてきていることも、変更点の削減につながっています」。ダイムラークライスラー日本の法規対応担当者は、新型Cクラスについてこう語る。
「カーナビなどのアクセサリーを除くと、左右ハンドルとも、変更点はAFSヘッドランプの配光プログラム、エンジンやトランスミッションの制御ソフトウェア、あとはナンバープレートくらいです」
世界共通仕様化が進んだことは、ユーロ高にともなう値上げ圧力の吸収にも一役買っているという。