フォードは、ブラジル、サンパウロの近くにあるサンベルナルド工場で、北米向けサブコンパクトセダンの製造を開始する予定である、と発表した。
燃費の良いサブコンパクトカーを、GMは旧デーウ(大宇)、そしてクライスラーは中国のチェリーとのベンチャーで生産を進める予定。しかしフォードはアジアメーカーとの提携ではなく、独自にサブコンパクトの生産を進める予定だという。
実はフォードは北米のメーカーとしてサブコンパクトクラスの車をラインナップに揃えていない唯一のメーカー。最近まで北米ではサブコンパクトは重要視されていなかったが、ガソリン高、高まる燃費規制などのあおりで、今やサブコンパクトを持つことはメーカーにとっての至上課題となっている。
フォードが新規に生産予定のサブコンパクトカーについて、現時点では名前も未定だが、フォードは2010年には販売を開始する予定だという。
このフォードの決断について、ブラジルの労働コストが中国などに比べて高く、その割に質が低い、と評価されていることから批判する向きもあるが、フォードでは「メキシコの労働コストよりもブラジルが安い」ことを理由に挙げている。
しかし現時点で影も形もないフォードのサブコンパクトが、実質あと2年で市販可能なレベルになるのか、またどんなデザインの車が登場するのか、市場の興味が集まっている。