東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「第12回国際食品素材添加物展(ifia JAPAN 2007)」(5月30日−6月1日)で、ナットウキナーゼを懸命になってPRしていた会社があった。ホンダの子会社、ホンダトレーディング(HT)がそうだ。
同社は1972年に設立されたホンダグループの商社で、ホンダ関連商品以外の輸出入を手がけており、これまで食品や紙、木材なども扱ってきた。たとえば、91年から米国オハイオ工場の近隣で非遺伝子組み換えの大豆を作り、それを日本に輸入し販売している。
そのHTが日本の伝統食である納豆の持つ健康面に着目して、ナットウキナーゼの発見者である倉敷芸術科学大学の須見洋行教授とともに工業化へ向けた研究開発を行い、06年初めに工業化に成功した。
ナットウキナーゼについては詳しく説明するまでもないが、血栓を溶かす効果があることから、近年注目されている酵素である。HTはそのナットウキナーゼの一次構造に関する基本特許の専用実施権者で、06年3月から日本での原料供給を開始した。
しかし、初年度は苦戦の連続だったそうで、「今期はなんとか目標を達成したい」とHT関係者は攻勢に打って出る構えを見せていた。また、HTブースの近くではヤマハ発動機が「アスタキサンチン・ピュアスタ」を出品しており、両社関係者が新規ビジネスを成功させようとお互いに健闘を誓い合う姿も見受けられた。