27日、環境をテーマとしたイベント「首都高エコロード・フェスタ 2007」の中で、メルセデスベンツの燃料電池車『F−Cell』に同乗試乗することができた。
燃料電池車は、水素「H2」と酸素「O2」の化学反応によって生み出される電気を利用してモーターを回す、排出されるのは水「H2O」だけ。
試乗して気がつくのは、加速にシンクロしてなにやら音がするのである。その正体は、燃料電池に空気を送り込むコンプレッサーの音だという。
燃料電池は、常に最大電力を発生させているわけでなく、送り込む空気の量によって発電量を変えているのである。
バッテリーも搭載されているが、回生と加速時の補助電力として使われるのであって、基本的に燃料電池の発電によってモーターが回されるのである。
バッテリーのように溜め込んだ電力を放出するのと違い、今から走る分をそのつど発電することになるのでタイムラグが気になるところだが、助手席ではそれは感じなかった。
「クラッシュしても大丈夫?」といった不安に対しては、車内には、水素を感知するセンサーや、いざというときには、水素を空中に放出してしまうといった安全対策が考えられている。
走行中の車内はいたって静かな印象、静かなだけにタイヤからの音が気になってしまう。加速性能も力強い感じだ、コンプレッサーの音は技術的には消すことが可能だろう。音が残っていたことで燃料電池の働きを知ることができたし、不思議な乗り物に乗っている感じがするのである。
『Aクラス』の床がサンドイッチ構造になっているのは、燃料電池システムを導入する計画があったからこそ、その理想が現実のものとなったわけだ。床下に燃料電池ユニットを積んだおかげか、乗り心地も安定しているように思えた。