「どんなブースになっているか楽しみにきたんですが、正直言ってガッカリしましたよ」---。トヨタ自動車のある社員はブース内を見回しながら、こうこぼしていた。
トヨタはパシフィコ横浜で開幕した「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2007」(23日〜25日)に出展したが、展示されているのはV型8気筒4.6Lガソリンエンジン、プリクラッシュ・インテリジェントヘッドレスト・シート、そしてVDIMシミュレーターの3点だけ。とても営業利益2兆円超を誇る日本一の企業とは思えないブースというわけだ。
周りのブースからも「昨年とあまり変わらないし、トヨタは手を抜いているのではないか」との声も聞かれていた。唯一人気があったのはVDIMシミュレーターで、そこには長い列ができていた。しかし、このVDIMシミュレーターは富士重工業(スバル)が開発、市販したものだ。
ただ、考えようによっては、倹約できるところはとことん倹約する姿勢が営業利益2兆円超を達成させる一つの秘訣なのかもしれない。