トヨタ自動車のハイブリッド・フルサイズサルーン、レクサス『LS600h/hL』(5月17日発表)のエンジンは、排気量5.0リットル。レクサスLSはこれまでエンジンを1機種のみとしてきた。現行レクサスLSは、初めて2つの排気量がラインナップされることとなった。
「ハイブリッド用エンジンは頻繁なスタート、ストップに対応するため、標準エンジンに比べると出力、トルクが低くなります。(ハイブリッドシステムの統合出力だけでなく)エンジン単体の性能でも標準のLS460より上位になるよう、排気量を5リットルに設定したんです」(エンジン開発責任者・旭哲治氏)
トヨタの2モーター式ハイブリッドシステムは、とくに発進加速で優れた特性を有している。プレス向けの発表会ではゼロ発進後の加速Gの推移を示したグラフが提示された。メルセデスベンツ『S600L』、BMW『760iL』のものと推定されるライバル車に比べ、発進後の加速Gの立ち上がりは大幅に優れており、中速域以上で互角。おおざっぱに積分してみても、総合的な加速力で両モデルにかなりの差をつけることになる。
標準のレクサスLSの4.6リットルを再チューンしてハイブリッドシステムと組み合わせるだけでも、「6.0リットル車並みの加速」(旭氏)は充分達成できたものと思われる。もともと6.0リットル車の加速力というのは絶対値ではなく、抽象的なものだからだ。にもかかわらず、5.0リットルエンジンをわざわざ開発したことは、「頂点をきわめる」(渡辺捷昭社長)ために設定したトヨタの性能目標が相当高いものであったことをうかがわせる。