野村総合研究所は2007年3月に、ロシアのモスクワ市とサンクト・ペテルブルグ市の一般消費者に対し、インタビュー調査を実施した。
そのうち、「耐久消費財(テレビ、冷蔵庫等)は難なく買える」または「かなり高価な品(マンション、別荘等)を購入できる」と回答した1500人を「ロシア都市型リッチ層」と定義し、その消費実態について分析した結果をこのほどまとめた。
それによると、都市型リッチ層は月世帯総収入が3万-5万ルーブル(日本円にして13.5万-22.5万円)近辺が多数を占めている。勤務先別に見ると、個人企業、外資系企業勤務者が比較的裕福で、業種的では不動産、金融などの収入が高い。世代別の月世帯総収入では、20代、30代の若年層のほうが6万ルーブル以上の世帯の割合が多くなっている。
その都市型リッチ層に、商品分類別にどの生産国のものを購入したいか聞いたところ、AV機器については、日本メーカーの人気がモスクワで63.1%、サンクト・ペテルブルグで55.0%と、圧倒的に高かった。
一方、自動車はというと、やはりドイツメーカーの人気が高く、37.0%(モスクワ)、42.2%(サンクト・ペテルブルグ)とトップで、日本メーカーは22.0%(モスクワ)、24.4%(サンクト・ペテルブルグ)とそれぞれ2位になっていた。
また、世代別の1年以内で買いたいものランキングでは、10代・20代はパソコンが1位で、自動車は2位。30代は自動車が1位、40代はパソコンが1位、デジカメが2位、自動車が3位。そして50歳以上になると、自動車はずっと順位が下がり8位で、1位はデジタルビデオカメラだった。
両市とも、過去3年間で世帯収入が増加したと感じる人は8割前後もおり、今後3年間にさらに増加すると予測している人がモスクワで63.9%、サンクト・ペテルブルグで70.8%。ロシアの都市型リッチ層は、収入について右肩上がりの実感を持っている。