15日未明、群馬県太田市長の自宅に普通トラック2台が相次いで突っ込む事件が起きた。車両は近くで盗難されたもので、門扉の一部が破壊されたが、家屋に被害は無く、事件当時は就寝していた市長と夫人にケガは無かった。
群馬県警・太田署によると、事件が起きたのは15日の午前1時10分ごろ。太田市飯田町付近にある同市の市長を務める65歳の男性宅から大きな物音がするのを近隣の住人が聞きつけ、警察に通報した。この住人が外に出ると、市長宅の門扉付近に2台の普通トラックが突っ込んでおり、作業員風の男2人が手で×印をつくり、「通れない」というジェスチャーをしていたという。
署員が現場に駆けつけた時点でこの男たちは姿を消しており、トラックがバックで侵入していることから、故意に破壊を行った可能性が高くなった。車両は現場から約2.5km離れた工業団地内にある土木建設会社から盗まれたものであることもわかった。市長と夫人は門扉から離れた場所にある家屋内におり、当時はすでに就寝していた。トラックは家屋までは突っ込んで折らず、2人にもケガはなかった。
警察では市長の政治活動を妨害する目的や、悪質な嫌がらせとしてトラックを突っ込ませたものと判断。器物損壊と窃盗の容疑で捜査を開始した。この市長は1995年から太田市長を3期務め、2005年4月の合併後に行われた市長選でも当選。新しい太田市の初代市長となった。その言動から名物市長とも知られているという。