横浜ゴムは、トラック・バス用タイヤ事業における環境グローバルコンセプト「Z. ENVIRONMENT」の新タイヤブランド「ZEN」を4月から立ち上げると発表した。
同社は昨年12月、横浜ゴムグループで取り組む環境貢献活動のスローガンを「eco MOTION」と名付け、「Reduce(省資源)」「Reuse(再生・循環)」「Recycle(再利用)」の3Rの観点からさまざまな取り組みを展開している。
こうした中、各事業で環境貢献を果たすための活動テーマを設定しているが、トラック・バス用タイヤ事業では昨年、「新たな次元の総合環境性能」を追求するため、全世界共通の環境グローバルコンセプト「Z.ENVIRONMENT」を策定した。
Z.ENVIRONMENTは、環境性能を保持した商品を提供する「商品力」と、その商品の性能を十分に発揮させるため、タイヤ空気圧モニタリングシステム「HiTES」による適正な空気圧管理を推進する「タイヤ管理力」、日常点検から得たタイヤ情報を一元管理し確実で安全な運行をバックアップする「T.M.S(タイヤ・マネジメント・システム)」による「サポート力」—の3本柱で構成されている。
新ブランドZENは3本柱のうち「商品力」を強化するために開発した。
ZENの環境性能の最大のポイントは、ケーシングの長寿命化による徹底的な耐久性、耐摩耗性と低燃費性の向上で、これを実現したのが「歪コントロールプロファイル」と「C’ROLL(クロール)コンパウンド」だ。
歪コントロールプロファイルは、使用過程でタイヤに生じる歪を解析し、歪みの起こり方をタイヤ全体で均一化させることで高い耐久性を発揮するタイヤプロファイル。また、C’ROLLコンパウンドは、C’ROLLコンパウンドという新しい混練製法を採用し、強靱で、かつ伸びに優れる高品質なコンパウンドだ。C’ROLL製法によって製造されたコンパウンドは、従来品に比べて耐久性が大幅に向上するほか、耐摩耗性を5〜10%、耐チッピング性を10〜15%高めることが可能となった。
物流・輸送業界では、燃費がよくなるタイヤ、寿命が長く交換頻度を減らせるタイヤなど、環境貢献とコスト削減効果の高い商品のニーズが高い。同社ではこうしたユーザーニーズへの対応と、地球環境保護を進めるため、ZENを積極的に提案していく方針だ。