【VW ゴルフ GT TSI 日本発表】低回転でブーストをかけるツインチャージャー

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【VW ゴルフ GT TSI  日本発表】低回転でブーストをかけるツインチャージャー
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新型VW『ゴルフGT TSI』はじめ、欧州車の過給器はエンジンをより高効率化、“ミニマイズ”するための技術だ。ひとくちにミニマイズといっても、単に小排気量エンジンに高ブーストをかければOKといった簡単なものではない。

小排気量の過給エンジンは、ブーストがかからなければ単なるトルクの低いエンジンである。低い回転数から過給が立ち上がるようにしなければ、大排気量エンジンの代わりにはならない。

低回転からターボのブーストを立ち上げるためのソリューション技術としてよく使われているのは、タービンブレードに当たる排気ガスの流速を調節する機構を備えた可変ジオメトリー(VG)タービンだ。このVGタービンは昨今のターボディーゼルブームのなかで大いに進化した技術だが、決して万能ではなく、ごく低回転の領域ではトルク不足が起こってしまう。

フォルクスワーゲンは発想を変え、VGタービンによるシングルターボではなく、固定ジオメトリータービンを使い、低回転域においてはアイドリング近辺からブーストが立ち上がる機械式スーパーチャージャーに過給をサポートさせ、発進時のトルク不足を解消した。

このシステムの効果はかなり大きく、2トンを超えるバンモデルに1.4リットルTSIを搭載した実験車両を運転したモータージャーナリストの山口京一氏は「本当に力強く走った」と、その効果を高く評価した。今後、ますますさかんになるとみられているエンジンのミニマイズ競争に、フォルクスワーゲンが強烈な一手を放った格好だ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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