エクステリアは先代をブラッシュアップした程度にしか見えないが、走らせてみると「これがジャガーの『XK』か!?」と思わせるほど、アグレッシブな進化を遂げている。
排気音は豪快なV8サウンドに変わり、アクセルレスポンスも鋭くなっている。ちょっとラフにアクセルを踏み込めば、トラクションコントロールを効かせながら、力強い加速を披露してくれる。
乗り心地やハンドリングに関しても、先代はジャガーらしいコンフォートな一面が残されていたが、新型は大幅にスポーティに振っている。思い切りハードなわけではないが、クルマの挙動やステアリングレスポンスなどは、先代よりもシャープな味付けになった。
それでいながらインテリアはジャガーらしい上質感に包まれており、刺激的な走りとのギャップを楽しませてくれる。
先代までのXKは大人の紳士が乗るクルマという印象だったが、新型は若き成功者が乗るような魅惑的なクーペという印象だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌出版社に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。