1台のクルマを夫婦で共有。平日は妻がアシ代わりに使い、休日は家族でショッピングやドライブに行く。都市近郊に住むファミリー層ならば、このようなカーライフスタイルが多いのではないだろうか。かくいう筆者も、プライベートでは“典型的ファミリーカー型カーライフスタイル”層である。
ファミリーカー向けのカーナビ選びというのは、意外と難しい。家族それぞれが勝手なことをいう……、もとい、ニーズがわかれるからだ。休日にハンドルを握り、長距離・長時間の運転が多い筆者はカーナビの基本性能やオーディオ機能にこだわりたい。いっぽう、日々の運転が多い妻はデザインや使いやすさを重視する。子どもたちが欲しがるのは、テレビやDVDの機能だ。
このような多種多様なニーズに応えるのに、パナソニックオートモーティブシステムズ社(PAS社)のストラーダ「Fクラス」は最適だ。周知のとおり、Fクラスはいわゆるハイエンドカーナビであるが、ストラーダシリーズ共通の魅力として、高性能・多機能だけでなく、“デザイン”と“使いやすさ”が優れているからだ。あらゆる面でスキがなく、さまざまなニーズに応えられる。これはハイエンド指向の強いユーザーだけでなく、ファミリーカーにもぴったりの特性だ。さらに地上デジタル放送に標準対応しているので、その気になれば長く使えるのも嬉しいところ。
さて、現行ストラーダFクラスの魅力は多々あるが、その中でも最初に挙げるべきポイントは、ハードウェアからメニュー画面の細部にわたるまで洗練されたデザインである。
ストラーダFクラスは、1DIN+1DINインダッシュモニターの『CN-HDS960TD』、2DIN AVNの『CN-HDS940TD』、1DIN+オンダッシュモニターの『CN-HDS910TD』の3タイプ構成。どれも外観デザインがシックで落ち着いている。基調色の黒はあらゆるクルマのインテリアデザインと適合しやすく、タッチセンサーを使った各種ボタンの色は落ち着いたブルーだ。
今回、ストラーダFクラスを取り付けたのは、BMW『3シリーズツーリング』であるが、主張の強い輸入車のインテリアにも違和感なくスッと溶けこんだ。インテリアの雰囲気を壊さず、むしろ高級感アップに貢献するというのは、市販カーナビにとって大切なことだ。
また、もうひとつの注目が画面デザインである。ストラーダFクラスは、以前から積極的にワイドVGAを採用してきたが、そのアドバンテージは他社がワイドVGA採用で横に並んだ今も健在だ。ドライブシーンにあわせて選べる地図や交差点など各種拡大表示は、どれも高解像度をうまく使って見やすい。
さらに今やストラーダの“顔”ともいえる「簡単ツートップメニュー」は、高解像度を大胆かつシンプルに使ったものであり、実際に使ってみるとかなりセンスがよい。奇をてらったギミックやアニメーションに走らず、「クルマの中で使いやすい」ようにデザインと使いやすさをシンプルにまとめた印象だ。このようなスタンスと手法には、アップルコンピューターの『iPod』など最近の優れたUIデザインに通じるものがある。
携帯電話やデジタルオーディオプレーヤーなどがそうであるように、デジタル機器の総合力や魅力は、デザインの部分に表れる。ストラーダFクラスで最初に惹かれるところも、まさにそこにある。