ダイムラークライスラーの提携先は中国チェリー?

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アメリカではGM、フォードモーターのどちらがルノー日産グループと提携するのかが注目の的だが、第3のメーカーであるダイムラークライスラーは、中国のチェリーとの提携を模索中だという。提携の内容は、チェリーが生産する小型車をダッジブランドとして米国内でクライスラーグループが販売するというもの。

しかしダイムラークライスラー社内でもチェリーとの提携については疑問視する声がある。中国のメーカーとしてはジーリーがアメリカでの市販を宣言しているが、安全基準などが合致せず、発売予定は延期されている。チェリーも独自の販売網がアメリカで出来つつあるが、同様の問題を抱えていると見られている。品質面で不安がある中国メーカーとの提携がどれだけクライスラーにとっての価値をもたらすのか議論となっているようだ。

一方でクライスラーグループの販売は7割以上がピックアップやSUVを含むライトトラックで、昨年からの消費者のSUV離れによりもっとも打撃を受けているという事実もある。小型車のラインアップの充実はクライスラーグループの今後にとって重要な課題だ。

そして、現時点で品質に問題があるとしても、長いスパンで考えると中国の自動車メーカーの存在を無視することはできず、いずれはどこかのグループに組み込まれることを予測して早めに手を打つという戦略も捨てきれない。

躍進する中国のメーカーは、今後の自動車業界再編の台風の目になるかも知れない。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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