マツダ『ロードスター』の開発主査を務めた貴島孝雄さんは、「パワーリトラクタブルハードトップ」(RHT)を追加するにあたり、4つの課題を設けたという。4つのチャレンジはすべて高い次元でクリアできている。
「ロードスターは、軽量コンパクトなボディと、人馬一体の走りを魅力としたクルマなので、電動ハードトップは必要ないという声もありました。そこで、私は次の4つのテーマをクリアできれば、電動ハードトップを設定してもよいと考えました」
「ひとつ目はロードスターらしいデザインを損なわないこと、ふたつ目は荷室を犠牲にしないこと、三つ目は素早い開閉速度、そして四つ目は重量増加を抑えることです。これらの中でひとつでもクリアできなければ、発売するつもりはありませんでしたが、どのテーマも高い次元でクリアすることができ、満足のいくクルマに仕上がりました」
確かにデザインやトランクスペース、ルーフの開閉速度や重量の増加は世界中の、どのオープンカーよりも上手くまとまっている。貴島さんのいうように4つのチャレンジはすべて高い次元でクリアできている。