【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー

自動車 ニューモデル 新型車
【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー
  • 【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー
  • 【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー
  • 【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー
  • 【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー
  • 【ジャガー XK 新型】海外リポート…平滑な乗り味と豪快なパワー

そんな新しいジャガー『XK』シリーズで走り始める。なるほどその加速力はスタートの瞬間からすこぶる強力だ。ちょっとアメリカンな派手目のサウンドを放ちつつ、最高出力300bhpのV8エンジンが生み出したパワーは、ZF社製のシフトパドル付きの6速ATを介して力強く地面を蹴り出して行く。

Dレンジ走行中でもパドル操作が優先され、しかし10秒後には再度Dレンジに復帰するというロジックが用いられたこともあり、ATの操作性はなかなか優れたもの。6速のギア比の切り方も適切で、力強さと息の長い加速の伸び感が巧みに両立されているのも好印象だ。

ただし、アクセルワークによっては時にシフトショックが目立つことがあったのはちょっと残念だし、1300−1400rpm付近に小さいながらもエンジンこもり音のピークがみられる点も、一度気にしだすとけっこう気になるという人もいるかも知れない。

南アフリカで開催された今回の国際取材会に用意されたテスト車は、クーペが19インチ、コンバーチブルが20インチと、標準の18インチに対してそれぞれオプションのシューズを履いていた。にもかかわらず、バネ下の動きは軽やかで乗り心地も期待値以上と受け取れたのは、やはり強靭で振動減衰性に優れたボディのポテンシャルによるところが大きいと実感。いっぽう、ボディサイズの割にヒラリひらりと自在なハンドリングの感覚を味わえた点にも、その軽量ぶりが大きく効いていると推測がつく。

「両者を並行して開発」というクーペとコンバーチブルだが、比較をすればさらなる高剛性感を提供してくれるのはやはり前者のほう。もっとも、コンバーチブルも従来型と比較をするとそのボディのしっかり感は比べものにならないほどに高い。その点では、アルミボディであることのメリットをよりわかりやすく表現しているのは、コンバーチブルのほうといってもよさそうだ。

いっぽう、静粛性にはじつは「これはアルミボディによるマイナス点か?」と推測できるところもある。路面状況の変化によるロードノイズの違いが比較的顕著で、そうした点ではアウディ『A8』やホンダ『NSX』など既存のアルミボディ車とも共通の印象を受けるシーンがあるのだ。

またコンバーチブルの場合、「3層構造の内張り付き」というルーフ部分を透過しての外部ノイズ侵入が意外に目立ち気味。「そのほかの静粛性が優れているため」の相対的な印象とも解釈できるが、いずれにしても絶対的な静かさはクーペのほうが上、という評価にはなる。

“親会社”であるフォード社が推進してきた傘下のブランド間での“血縁化政策”が必ずしも成功しているとはいえず、それも影響してか各モデルの販売も必ずしも好調には至っていないのが今のジャガーの置かれた状況。そうした中で、もう一度「ジャガー車のあるべき姿」を見つめ直し、それを追い求めるべく努力の結果に誕生したと解釈できるのが新しいXKシリーズだ。

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集