日本のVICSのように標準的な渋滞情報サービスのないアメリカだが、それが逆に新興企業にとってビジネスチャンスにもなっている。ITS世界会議展示ブースの一角を占めるtraffic.comは、そんな元気のいい渋滞情報ベンチャー企業だ。
traffic.comは、主要幹線道路に設置した独自のセンサー網と、サンフランシスコの511サービスのような各州の地域渋滞情報サービスのデータを統合し、全米規模の渋滞情報を収集・提供する企業だ。現在は国内30都市の渋滞情報を重点的に収集しているという。
traffic.comでは、複数の異なるセンサー網から収集した渋滞情報は、同社のTIMS(Traffic Infomation Management System)で統合する。渋滞情報は同社のウェブサイトで見られるほか、50局以上のテレビ局やラジオ局に配信している。
さらにtraffic.comの渋滞情報は衛星ラジオ「XMラジオ」でも渋滞情報チャンネルとして配信されている。例えば、ホンダの北米ブランド「アキュラ」では、XMラジオの装着オーナー向けにtraffic.comの渋滞情報チャンネルを提供している。
XMラジオを使うことで、全米配信も可能にしたtraffic.comは、北米版VICSになる素質は充分だ。IPOも間近ということで、今後のサービスの拡大にも期待が持てる。