【東京モーターショー05】トヨタ FINE-X …シリーズ3代目

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トヨタ『FINE-X』(ファインエックス)は、ミニバン型の燃料電池ハイブリッドカー(FCHV)だ。

「FINE」はFuelcell(燃料電池)、INnovative(技術革新)、Emotion(情感)を組み合わせた造語。2003年に発表したスポーツカー『FINE-S』、ハッチバックセダン『FINE-N』に続くシリーズ3代目だ。

コンパクトな燃料電池ユニットと4輪インホイールモーターの採用により、高効率パッケージを実現。全長3860×全幅1750×全高1550mmという、『イスト』の幅を少し広げた程度のコンパクトなボディで、大型セダン『カムリ』並みの室内空間を実現している。デザインはトヨタブランドの乗用モデルに適用されている「ヴァイブラント・クラリティ(わくわく・爽やか)」の思想に基づくシンプルかつ明瞭なものだ。

インホイールモーターの採用により、常識を超えた「自在な動き」を持たせているのも特徴。前輪、後輪とも90度以上ステアし、前輪や後輪を軸にした回転、全長ぎりぎりの道幅での方向転換、またホイールベース中央を軸にした定点回転などが可能だ。

室内は非石油系素材を多用。植物のでんぷん、糖質を原料とするポリ乳酸プラスチック、ケナフや麻などの植物繊維を、ドアトリムの透明素材、天井のスウェード素材、シートのネット、カーペットなど、さまざまな風合いに加工している。植物を利用することで、カーボンニュートラルの可能性を追求している。トヨタの目指すエコのスタイルが、この1台に凝縮されている。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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