横浜ゴムより発売された新スタッドレスタイヤの『アイスガード・ブラック』は、従来まで発売していた、『アイスガードG10』の後継となるモデルだが、タイヤのトレッドパターンは大きく異なっている。
このタイヤを開発した横浜ゴムPC設計部 橋本佳昌さんは「アイスガードブラックはセンターに大型ブロックを採用するなど、接地面積をアイスガードG10に比べて増加させております。その結果、アイスバーンでも高い操縦安定性を確保しています」とコメント。
実際にアイスガード・ブラックを装着したクルマで氷上のテストコースを走ってみると、従来のG10との違いは明確だった。ワインディングを想定したコースでは、クルマが横滑りを始めようとする限界域が高まり、限界に達したときも挙動の乱れが唐突に現れることなくマイルドな動きで限界を教えてくれる。
広い場所でスラロームを行なった際にも、右から左へと切り返しを行なう際に、タイヤが路面をグッと押さえ込み、ノーズの向きを変えてくれる。この動きは、エッジの効いた高級なスキー板を履いた感じに似ている。思った場所で、乱れることなく向きを変えてくれるのだ。
もちろん速度が高くなってしまえば、アンダーステアが出てしまうが、そのときの回復力もG10よりも早い。この回復力の速さは、一般道路でグリップ力を失ってしまったときにも大きな武器になるだろう。
アイスバーンでのグリップ力では定評のあった横浜ゴムのアイスガードだが、新しくなったアイスガード・ブラックは、さらに氷上性能をアップしている。これだけ性能を向上していれば、今年のスタッドレスタイヤ選びの注目ブランドとなるはずだ。