富士重工業は18日、2007年度に試験的に市場導入する予定のターボパラレルハイブリッド(TPH)とリチウムイオンキャパシタを公開した。
今回発表したTPHは、水平対向エンジンやシンメトリカルAWDというスバルのコア技術を継承したクリーンエネルギー車の動力源として同社が量産化を視野に開発している技術。
エンジンとATの間に薄型で最大駆動出力10kWのモータージェネレーターを挟み込む構造。ミラーサイクルを採用した水平対向ターボエンジンとモーターを組み合わせることで、ターボの過給域でもある中速以上の動力性能を確保しながらエンジン低回転域でのトルク低下をモーターアシストで補い、低速時にも従来以上のトルクを確保できるため、全域にわたって加速性能と燃費性能の両立が図れると、している。
TPHの実現のため、NECと富士重が共同開発したマンガン系リチウムイオン電池が搭載される予定。
また、今回公表したリチウムイオンキャパシタは、キャパシタの課題のエネルギー密度について飛躍的に増大させた。負極にリチウムイオンを吸蔵する新開発の炭素材料、電解質にリチウムイオンを使用し、あらかじめ負極に大量のリチウムイオンを吸蔵させるプレドーピングの手法で負極の容量を増大させるとともに、電位差を高め、正極の性能劣化を起こさずに高電圧を可能にしている。
将来のハイブリッド車の需要や鉛電池の代替需要をにらんで、現在、試作セルによる性能試験を行っている。